予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房 (2013年8月23日発売)
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感想 : 399
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ちょっと前から積んでたんだけど、ランキング上位に返り咲いた理由とは何なんだろう?(おかげで探しやすかったのですが)

印象的な部分だけかいつまみ。

二章。
筆者が自分の朗読に対して、あるグループでは「お金を払う」、別のグループでは「お金をもらう」をデフォルトの選択肢に設定して実験をした。
アンカリングによって、前者はお金を払い、後者はお金を要求する結果になる。
これ、応用出来ないかなー。

価値があるというアンカリングを上手く出来れば、消極的な気持ちも動かすことが出来るかも?

四章。
無償で手伝ってもらえるようなことに、少しのお金を提示すると、社会規範が市場規範に切り替わり、請け負ってもらえなくなる内容。

意欲に報酬を結び付けると、意欲が削がれてしまうのもこの論理。
だけど、ちょっとしたプレゼントなら社会規範に留められるというのは初めて知った。

九章。
所有を手放すことへの執着。
一つの扉で多くの利益を得るよりも、他の扉を閉じない執着の方が強くなる。
選択肢で迷う時、迷っている時間による損失を考えてみる、というのは面白い。(クレジットカードを氷漬けにするよりも、笑)

十三章。
不正に対して、何も手立てを打たなかったグループと、『十戒』を思い出させ、内容を書かせたグループでは、後者に不正がなかったという実験。
よく道端に警告の看板があるけれど、あれって罰則の金額を書くより、道徳心に訴える文言の方が効果があるんだろうか?
ちょっとした疑問。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2020年
感想投稿日 : 2020年9月22日
読了日 : 2020年9月22日
本棚登録日 : 2020年9月22日

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