沈黙の王 (文春文庫 み 19-37)

著者 :
  • 文藝春秋 (2017年7月6日発売)
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感想 : 10
3

1995年の作品だったんですね。

古代中国の歴史小説。短編集。
表題作「沈黙の王」が良かった。
祝詞は読み上げることが出来るのに、獣の咆哮のような声しか出せない丁。
彼に言葉が得られれば、戻って来ても良いという伝達を受け、旅に出る。
『図書館の魔女』のマツリカとキリヒトのような、運命的な出会い。(こちらは男だが。)
そして、文字というところに結び付く。

他の作品には、賢婦と邪婦?が目立つ。
主人公は男なのだけれど、必ず彼を惑わし、また導く女の存在がいる。
ラスト「鳳凰の冠」では、母親の嫉妬心と一族を滅ぼさんとする呪いの言葉があり。
一方、男を惑わし滅ぼすとした夏姫の娘は驚くほど清廉潔白だったり。
パターン化されてはいるんだけど、楽しく読める。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2017年
感想投稿日 : 2017年8月16日
読了日 : 2017年8月16日
本棚登録日 : 2017年8月16日

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