1995年の作品だったんですね。
古代中国の歴史小説。短編集。
表題作「沈黙の王」が良かった。
祝詞は読み上げることが出来るのに、獣の咆哮のような声しか出せない丁。
彼に言葉が得られれば、戻って来ても良いという伝達を受け、旅に出る。
『図書館の魔女』のマツリカとキリヒトのような、運命的な出会い。(こちらは男だが。)
そして、文字というところに結び付く。
他の作品には、賢婦と邪婦?が目立つ。
主人公は男なのだけれど、必ず彼を惑わし、また導く女の存在がいる。
ラスト「鳳凰の冠」では、母親の嫉妬心と一族を滅ぼさんとする呪いの言葉があり。
一方、男を惑わし滅ぼすとした夏姫の娘は驚くほど清廉潔白だったり。
パターン化されてはいるんだけど、楽しく読める。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2017年
- 感想投稿日 : 2017年8月16日
- 読了日 : 2017年8月16日
- 本棚登録日 : 2017年8月16日
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