夜を乗り越える(小学館よしもと新書)

著者 :
  • 小学館 (2016年6月1日発売)
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本棚登録 : 3225
感想 : 364
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これも「図書館司書オススメの本」にあった。

本を扱うプロ中のプロが、読書の秋に読んでもらいたい思いは確実に伝わった。

読書好きで知られ、芥川賞作家にもなった芸人でもある彼は、「なぜ本を読むのか?」と聞かれることが多いという。

まずは「面白いから」と答える。
その上で本が好きな人にも、本を読まない人にも、誠実に答えていったのがこの本だ。

本を読むことは対話に似ている。

時には、話を聞いてもらっている感覚になることもある。

そして、話をただただ聞くこともある。

話をするだけですっきりすることがある。

体験を聞くだけで、暗闇に明かりが灯るようなことがある。

人は人と関わることで、良くも悪くも変わっていく。

家族。仕事。ご近所さん。
一冊の本を手にすれば、その自分をベースに古今東西の人たちと交わっていくことができる。
感覚を共有していくことができる。

とてもわかりやすく、読みやすく書かれている。
そして考え抜かれて書かれた文章なので、良い意味で読むのに時間がかかる。

秋の夜長をもっともっと長くして、良い本をたくさん読みたくなる渾身の一書。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年10月25日
読了日 : 2020年10月24日
本棚登録日 : 2020年10月25日

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