「・・・もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」
ある日突然、妻がそんなことを言い出した。
ならば、ホンモノの妻とはいつ入れ替わったのか。ホンモノの妻は、いったいどこにいるのだろう。
「ニセモノ」が増えだしたという摩訶不思議な世界。
これが三崎亜記の手にかかるとリアリティのある物語になってしまう。奇想天外な三崎ワールドの新作。
新築のマンションの筈なのに、理事会には自分しか出席してこない。何故か近隣でなく少し離れた地域から反対運動が起こるマンション。「終の筈の住処」。
坂がブームとなり、役所には坂課ができる。その坂を巡って近隣トラブルが発生し、思わぬ展開が繰り広げられる。「坂」。
仲のいい若夫婦を襲った断層。切り取られた時を保とうと必死に努力する夫と、切り取られ断片的に戻ってくる妻。「断層」。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年9月10日
- 読了日 : 2016年9月6日
- 本棚登録日 : 2016年9月6日
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