わたしは女性の書いたエッセイを読むのが、好きだ。その中でも、好きなもの、そうでないものと、わたしなりの好みがあるから、あらためて、みずからの嗜好にかなうエッセイとはどんなものか、思い巡らしてみた。
息の長い文章が好きだ、と思う。細かく切れた文章は、なぜか読みの呼吸がうまくあわずに、気持ちよくなれない、心地よいドライブ感がないのだ。おそらくこれは生理的な問題だ、と思う。
わたしは、「である調」で書かれたものが好きだ、と思う。文末が「である」で綴られていると、リズムが生じて、なんだかとても心地いい。「ある」っていう表音のコロリとした語感が、とてもかわいい。
またゆる~い、日常の些細なことに一喜一憂しているエッセイが好きだ、と思う。些細なことを一まとまりの文章にすることは、意外に難しい。その出来事やその際のこころの動きは、なにせ忘れやすいし、日常ではそれほど頻繁に心が動いているわけではないから(大きく動いてないから日常なのである)。できれば、みずからをかるく揶揄するゆる~いユーモアが加われば、わたし好みである、ように思う。
と、いくつか嗜好にかなうエッセイの要素を挙げてみたけど、以上のような考えるきっかけをくれた、川上弘美さんのエッセイに、キリッと頭を垂れる、わけですね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
随筆・エッセイ・紀行文
- 感想投稿日 : 2014年3月9日
- 読了日 : 2014年3月9日
- 本棚登録日 : 2014年3月9日
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