三国志 第八巻 (文春文庫 み 19-27)

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  • 文藝春秋 (2012年10月10日発売)
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感想 : 16
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夏侯淵、曹操、関羽、張飛、劉備・・・・・。巨星が瞬く間に落ちていく。一つの時代が終わりゆく境目の巻である。関羽の感情の疎隔を象徴しているような益州と荊州の版図の広がり。但し不自然は続かない。水が高いところから低いところへ流れていくように世の中は自然に動く。謀略はすべて道理にかなっており、そこには伝説も奇跡もない。ただただ合理があるだけである。死ぬ間際まで潔さを示さなかった劉備。創意も工夫もなく、凡庸を貫き凡庸を突き抜けてしまったところに劉備の不思議さがある。劉備とは一体何者だったのか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年12月30日
読了日 : 2013年12月30日
本棚登録日 : 2013年12月30日

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