資生堂インパクト: 子育てを聖域にしない経営

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2016年5月1日発売)
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子供が小学校に入学するまでと、職場では全力で支えたのに、いよいよフルタイムに復帰する段階になって、まさかの夫の海外赴任による退職。子育て期の妻の仕事を職場全体でカバーした同僚のモチベーションは激下がり。結果として最も利益を得たのは子育て支援のない夫の会社となる。子育て支援策を進めれば進めるほど自社の女性の活躍が進まないジレンマ。夫婦間の仕事と家事・育児の分担がアンバランスだと、子育て支援に熱心な企業が何もしない企業より損をする不条理が生じることになる。子育てしながら働き続けるのに職場の配慮は絶対に欠かせないが、配慮が行き過ぎると、逆に女性のキャリア形成を阻害し、活躍の場をも奪う。女性が働きやすい職場から女性も働きがいのある会社へと進化を遂げた資生堂は、いまや女性管理職比率は30%に迫る。資生堂の取り組みの中に多くの女性活躍社会のヒントを見いだすことができた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2016年9月24日
読了日 : 2016年9月24日
本棚登録日 : 2016年9月24日

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