21世紀の自由論 「優しいリアリズム」の時代へ (NHK出版新書)

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  • NHK出版 (2015年6月9日発売)
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全世界で十三億人以上の利用者がいる米国企業フェイスブックは、社員数は一万人足らずだ。三億人近い利用者のツイッターは、社員数三千六百人。自動車や電機など第二の産業革命を担った近代の大量生産企業が、子会社も含めれば数十万人も母国で雇用していたのと比べれば、社員はとても少ない。二十一世紀の先端の企業は、先進国ではたくさんの人を雇わない

そもそもグローバル企業は母国で 人を多くは雇わず、仕事は国外に出してしまう。結果的にトリクルダウンは起きず、どの国でもリバタリアニズムの政策は最終的に否定され、捨て去られた。

コミュニタリアニズムにも、本質的な難点がある。  コミュニタリアニズム先進国のオランダで起きていることが、それを象徴している。

経済成長があったから民主主義」であって、決して「民主主義があったから経済成長」ではないのだ。おまけにそれは、アジアやアフリカという「外側」の搾取のもとに成り立った幻想でもあった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: そのほか
感想投稿日 : 2016年9月22日
読了日 : 2016年9月22日
本棚登録日 : 2016年9月22日

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