宮沢賢治の父の視点での物語。
賢治のダメ息子っぷりに父親は振り回されます。おい、息子よ、いい加減にしろよと何度も思います。
父、正次郎は厳格な父でなければならないと思いながらも、息子のことを想い過ぎる優しさを持っています。病気になれば自分の健康を顧みず看病し、ワガママや金の無心には苦悩しながらも手を差し伸べ、自分が考えるのとは違う道を選んだとしても最終的には応援してやります。
賢治の視点で見れば正次郎は立ちふさがる壁だったかもしれませんが、正次郎から注がれる愛情はものすごく深く、この父がいたからこそ宮沢賢治なんだろうなと思います。
現代は仕事に忙しく子どもと向き合えていない父親も多いと思うので、そのまま当てはめることは難しいけど、共感する部分は多いと思います。父親をやっている方に見てほしい本だなと思います。
読書状況:読み終わった
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著者 カ行
- 感想投稿日 : 2020年5月31日
- 読了日 : 2020年5月31日
- 本棚登録日 : 2020年5月31日
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