遺体: 震災、津波の果てに

著者 :
  • 新潮社 (2011年10月27日発売)
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感想 : 263
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石井さんの本久しぶりに読んだけど、彼がこんなに「自分を消した」文章を読んだのは初めてのような気がする。
読みにくさはなく(たまに状況説明で入る情感がずれる気がするのは私の感覚の違いかな)、情景が目に浮かぶ。千葉さんが遺族の方とご遺体に語りかけるところは全部ボロボロ泣いた。泣きすぎてあたまいたいわ。

にんげんの死というのは数字になった瞬間に統計として処理されてしまうけれど、「そのひとたち」は私や私の家族や私の友人知人親戚縁戚だったりしたかもしれない。遺体になったあなたと、まだ生きている私の命の重さに違いはなくて、そこにあるのは生きている/死んでいるという状態の差異だけである。

とっても月並みだけど、「私が無駄にした今日は、誰かが心から生きたいと願った明日だ」。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 就活・人生
感想投稿日 : 2013年2月7日
読了日 : 2013年2月7日
本棚登録日 : 2013年2月7日

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