あらすじ(講談社より)宿命の地=カナン(パレスチナ)を舞台にくり返された、長く根深い対立の歴史。流血の抗争はなぜ起こったのか? 宗教や民俗紛争、石油資源をめぐる思惑、難民問題など、複雑にもつれた中東問題を、国際政治のダイナミズムの中に位置づけ、解明する。
パレスチナ人とは?――パレスチナ人は、国を持たず、アラブ世界で常に差別されてきた。表面上はアラブの大義という看板の下で受け入れられても、内心ではけっして仲間うちとしては扱われてこなかった。またパレスチナ人は、国による保護を得られないため、個人の努力、そしてパレスチナ人同士の団結によって人生を切り開いてきた。ある国から追放されるようなことがあっても、命ある限りけっして奪われることのないものに投資してきた。つまり教育であった。
パレスチナ人の勉強熱心はアラブ社会では際立っている。パレスチナ人は、医者であり、作家であり、画家であり、弁護士であり、大学教員であり、ジャーナリストであり、研究者である。――本書より(https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000146547)
パレスチナとイスラエルの対立は何から始まったのか。
なぜアメリカは何があってもイスラエルの肩を持つのか。
パレスチナに関する歴史、様々な問題をできる限り客観的に書かれている印象。
それに加えて、イスラエル国民の「まるで自分たちの姿を見ているような」パレスチナ人への複雑な感情などもわかりやすく解説されている。
政治周りがやや難しいところもあったけど、まず概要を知るために適切な本だった。
SNSが普及した今、電気を奪うことで、パレスチナの人々の痛みや悲しみが隠し通せるわけがないのに。
連日続くあまりにも非道で残酷な仕打ちに言葉にならない。
それぞれができることをして、真実を知って、祈ることしかできない。あまりにも辛い。
以下、引用
聖書に出てくる巨人ゴリアテと勇敢な若者ダビデの対決そのものであった。しかもダビデの王国の子孫を自認するイスラエルがゴリアテであった。イスラエル支持のアメリカのユダヤ人さえもが、占領という醜い事実から目を背けることができなくなった。メディア操作に長けているといわれたイスラエルでさえも、そのイメージを守ることができなかった。(p.~~)
- 感想投稿日 : 2023年12月3日
- 読了日 : 2023年11月27日
- 本棚登録日 : 2023年10月12日
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