文章量がかなり少ないせいなのか、面白いと思ったのは残念ながら3篇だけでした。
朱川湊人『読書家ロップ』
猫飼いなら一度は考えるであろう、人の言葉を理解しているのでは?という思いが、見事に表現されていた。コミカルな終わり方で、くすっと笑えて気持ちよかった。
山本一力『閻魔堂の虹』
まだ見ぬお嬢様に一方的に思いを馳せる弥太郎が、その正体と自分の思い人に気づくおはなし。思い人が現れるシーンは情景が浮かぶようにロマンチック。ただ、文体がかなり現代的なのと時代を表すキーワードが少ないので、時代設定だけが遡った現代小説という感じがしてしまう。せっかくなら時代小説として読みたかった。
有栖川有栖『迷宮書房』
読み始めからもしやと思ったが、案の定、『注文の多い料理店』のオマージュ。食材ではなく、登場人物にされるというのがとてもおもしろい。けど、どうせなら最後まで『注文の多い料理店』の名は出さないでほしかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年3月6日
- 読了日 : 2023年3月6日
- 本棚登録日 : 2023年3月6日
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