小道具、台詞など小津映画をディテールから探究していく。直感的に理解しやすい小津安二郎論。
日本映画で小津安二郎ほど難しい論評の対象になる監督はないだろう。独自のローアングル、構図など。記号論であったり性的な解釈などが多い。
本書はそんな難しい論ではなく、小道具や台詞など映画の中の細かい部分を見て論じていくというスタイル。
筆者のイラストも含め小津映画とはまた異なる独自の空間。
「神は細部に宿る」というが、筆者は良くぞここまで小津映画の細部を探究している。ここまでの細工を発見されもし人格があるなら作品冥利に尽きるだろう。
小津ファンだからこそ、そして女性視点だからこその画期的な小津安二郎論であろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2020年5月25日
- 読了日 : 2020年5月25日
- 本棚登録日 : 2020年5月25日
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