レインツリーの国 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年6月27日発売)
3.68
  • (1983)
  • (3426)
  • (3006)
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  • (168)
本棚登録 : 29406
感想 : 2675
4

現代らしくネットでの交流から発展する恋愛を描いた小説ですが、シリアスな現実問題にお互いが葛藤するという大きな流れがあり、メール、チャット、ブログなどを通しての会話や、主客転換など、様々な技法も織り交ぜた意欲作といえるでしょう。
ただ、あまりにも展開がベタすぎるせいか(笑)、普通、そういう思考やふるまいはしないだろうとか、設定ありきの前振りが露骨すぎて、いまひとつ自分には馴染めなかった。そもそもの発端である小説のラストで、普通そこまで根に持つ内容かなあ?(笑)とかそういう感じです・・・。
ブクログのレビューを迂闊にも先に読んでしまって、前半のミステリアスな部分をネタバレされてしまっていたことも悪影響しているかもしれません。(泣)
まあ、さらりとした知識提供があったり、プラスマイナスの心情の対置がきれいに描かれていてラストも落ち着いた風でしたので、その辺は良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説など
感想投稿日 : 2012年6月9日
読了日 : 2012年6月9日
本棚登録日 : 2012年1月11日

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コメント 2件

まろんさんのコメント
2012/06/10

図書館戦争シリーズ第二作の『図書館内乱』で
小牧と毬江ちゃんのエピソードとリンクする作品なので
ミーハーな私は、「わ~い、『内乱』の表紙に『レインツリー』の表紙が出てる♪」
と、うきうきしながら読みました(笑)

私は、読んだお話のラストが悲し過ぎたり納得できなかったりすると
勝手に空想の中でお話を作り替えたりしてしまう子だったので
(たまに、どれが本当のラストシーンだったのかわからなくなったりしますが。。。)
ラストに拘りを持ち続けて、同意見の誰かと意気投合!みたいな感覚は
ちょっとわかるような気がします。

障碍を外から見る視線と、障碍を持つ側からの拒絶というのは、
有川さんがどうしても書きたかったテーマなんだろうなぁ、と思いました。

mkt99さんのコメント
2012/06/10

コメントありがとうございます!m(__)m

自分は残念ながら未読ですが、著者ご本人の「あとがき」によると『図書館内乱』とのリンクはかなりこだわりを持った企画だったようですね。違う出版社ですがお遊び感覚があって良い企画ですね。(^o^)

ラストの拘りの話は自分も「えー?」ということがあるので、誰かと語りあいたい気持ちはよくわかります。(笑)読んだ者同士でないとわからない感想の一体感もありますしね。ただ、彼女が彼氏を慮って別れるというラストはそれほど違和感がないのでは・・・と思ったものですから。(>_<)

「障碍を外から見る視線と、障碍を持つ側からの拒絶」というテーマを描きたかったというのはまさにその通りで、お互いの気持ちのバトルが凄いと思いました。

ラストシーンを自分で空想してしまうとは!著者さんにも伝えてあげたいところですね。(^o^)

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