読んでみて初めて東京藝術大学の面白さというか凄さがわかりました。
東京藝大ってこんなところだったんだー!
「普通の」学問や技術を身につける大学とは趣が随分と異なっていて、「芸術」を身につける大学ってやはり一味も違う「天才」たちの集団なんですね!(笑)
しかも少数精鋭で、「大学」というよりも徒弟制度の集団がいくつも集まって構成されている組織みたいな感じになっていて、「芸術」とは古来より現代に至るまで少数相伝で担われてきたということがよくわかりました。
文中に「東京藝大は芸術界の「東大」なのではなく、東大が学問界の「東京藝大」なのだ」という話がありましたが、古来の「芸」という観点からするとむしろこういう話もなるほどなあと。(笑)
日本の「芸術」ってこういう人たちに担われていたんですね。学長が絶叫するのもよくわかります!(笑)
とりあえず、大学祭には物凄く行ってみたい気になりましたよ。
さて、本書の構成は、藝大生である著者の妻の行動が奇異であることに興味を持ち、藝大生に対して次々とインタビューをして得た奇天烈な思考や言動を載せるという形式でしたが、最初は面白いと思いながら読んではいたものの、結局、最後までこのスタイルのままだったので途中からこのスタイル自体に飽きがきてしまって、単調さが際立つ結果となってしまったのは残念この上ないです。
素材が変わっていただけに、いっそさらに発展させて小説にしてしまった方が面白かったかもしれない。
個人的な感じとしては、音大よりも美大の方に変人が揃っているのではないかな?(失礼!)
- 感想投稿日 : 2018年9月1日
- 読了日 : 2018年8月27日
- 本棚登録日 : 2018年7月1日
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