劇画ヒットラー (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房 (1990年7月30日発売)
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本棚登録 : 1071
感想 : 109
5

ちょうど旬の巨匠水木しげるが描くヒトラーの半生。伝説上の極悪人ではなく1個の人間ヒトラーとして味のある漫画となっている。
こんなにコミカルで情けないヒトラー像もめずらしく面白かった。
但し、ヒトラーの歴史的に非道な面や戦争指導におけるミスジャッジ、それに最終局面が先細りになっていて、ヒトラーの全体像を描けたかというと疑問が残る。あえて残虐性を捨象したのと、ヒトラー自身の視点に絞ったと推測はできるのだが、勘違いする人もでるのではないだろうか。
とはいえ、こうした視点で描かれた作品がよい意味で新鮮であり、味わいのある絵が心に残り、大いに引き込まれる作品になっている。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2010年9月25日
本棚登録日 : 2010年8月31日

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