ちょうど旬の巨匠水木しげるが描くヒトラーの半生。伝説上の極悪人ではなく1個の人間ヒトラーとして味のある漫画となっている。
こんなにコミカルで情けないヒトラー像もめずらしく面白かった。
但し、ヒトラーの歴史的に非道な面や戦争指導におけるミスジャッジ、それに最終局面が先細りになっていて、ヒトラーの全体像を描けたかというと疑問が残る。あえて残虐性を捨象したのと、ヒトラー自身の視点に絞ったと推測はできるのだが、勘違いする人もでるのではないだろうか。
とはいえ、こうした視点で描かれた作品がよい意味で新鮮であり、味わいのある絵が心に残り、大いに引き込まれる作品になっている。
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カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2010年9月25日
- 本棚登録日 : 2010年8月31日
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