ヴィーナス 特別版 [DVD]

監督 : ロジャー・ミッチェル 
出演 : ピーター・オトゥール  レスリー・フィリップス  ヴァネッサ・レッドグレーヴ  リチャード・グリフィス  ジョディ・ウイッテカー 
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感想 : 8
5

2006年イギリス映画。監督は『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッチェル。主演は先月お亡くなりになったピーター・オトゥール。また、共演にピーター・オトゥール演じる老俳優モーリスの友人役としてレスリー・フィリップスにリチャード・グリフィス。映画終了後のクレジットを観るまでは全く気がつきませんでしたが、モーリス(ピーター・オトゥール)の妻役はヴァネッサ・レッドグレーヴでした・・・。そして、ピーター・オトゥールの相手役のヒロインは新鋭のジョディ・ウィッテカー。

モーリス(ピーター・オトゥール)の俳優仲間であったイアン(レスリー・フィリップス)のもとへ姪の娘のジェシー(ジョディ・ウィッテカー)がやってきた。いろいろ世話をしてもらおうと心待ちにしていたイアンであったが、その姿をみると・・・。しかし、老い衰えているにもかかわらず女好きなモーリスは逆にそんなジェシーに・・・。

老いてなお女好きな老俳優をピーター・オトゥールが熱演しています。老い故にさまざまなことが思うにまかせられず、過去に家庭を捨てたという悔恨も身体全体に滲ませて、それでもなおジェシーという少女の身体にとらわれてしまう業というものを、まさにピーター・オトゥールの老いと重ねるかのように演じる姿が迫真ものでした(いや、ピーター・オトゥール自身が老いてなお女好きだったかは知りませんが)。そして、そのラストはこれほどピーター・オトゥールを送るに相応しい内容もないでしょう。まあお約束な結末で予想はつくのですが、イアンが見る新聞をみてそう思いました・・・。
今回の「ヴィーナス」という題と老いの好色というテーマからいって、ジョディ・ウィッテカーはいつ脱ぐのかと心待ちにしていたのですが(笑)、ロジャー・ミッチェル監督はちゃんと心得ていますね。いろいろな仕草や見えるようで見せない方がエロティックであることを!最後に少しだけ見せてくれるのは、待ちに待ったご褒美のようなものですかね。(笑)ただ、ジェシーの心がほだされる契機については少し違和感があったので、もう少し丁寧に描いてほしかった。
ピーター・オトゥールとレスリー・フィリップス、それにピーター・オトゥールとヴァネッサ・レッドグレーヴの老いの競演も思った以上に魅力的だったのは流石としかいいようがありません。
ピーター・オトゥールといえばあの歴史超大作がまず思い浮かぶのですが、自らと重ねるような老俳優を演じる姿は、今回もアカデミー主演男優賞は逃してしまいましたが、彼がその時点でできる最大級の渾身の演技だったといえるでしょう。謹んでご冥福をお祈りいたします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 外国映画
感想投稿日 : 2014年1月4日
読了日 : 2014年1月4日
本棚登録日 : 2012年6月4日

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