最終巻の本書を読み終えてしまった。
長い間気になりながらようやく読み始めた本書は、まるで自分が若い時に描いていた夢を代わりに叶えてもらっているようなワクワクとした高揚感にあふれていた。
にもかかわらず最終巻の本書では読み進む意欲が段々と希薄になっていくようだった。
そこには旅の終わりを寂しく思う気持ちもあるが、何よりも著者のこの旅に対する後ろ向きな思いが自分に入り込んでしまったからではないだろうか。
旅の始めには初めて出会う人と土地への興味で溢れかえっていた著者の気持ちがいつからか自分の内面に向かっていったことには気がついていた。
旅の終着地ロンドンにあっても、この旅の意味を捉えきれず「ワレ到着セズ」と苦悶するような著者の思いが伝わってくる。
読書状況:読み終わった
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その他
- 感想投稿日 : 2019年10月29日
- 読了日 : 2019年10月29日
- 本棚登録日 : 2019年10月5日
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