駅伝は各区間を走る個人の才能が結果に大きな影響を与える競技でありながら、その各個人の各区間での成績が一つに繋がらなければ勝利できない、まさにチームの重要性がポイントとなる競技。
箱根駅伝の予選会を落ちて出場を逸した各大学のチームの中から好タイムを出していた選手が選ばれて箱根駅伝を走る「学連選抜」と言う名のチームがある。
しかし彼らが勝利するという事はまず難しい。なぜならば選ばれた時点で彼らは共に戦うチームでありながらチームではない。バラバラの個人なのだ。
だから各大学陸上部の代表が大学のため、先輩のため、後輩のため、学友のためなどと、共通の目標を掲げて一丸となって箱根に挑むのとは異なり彼らはモチベーションをあげにくい。
この作品「チーム」は選抜のランナーがトップでゴールテープを切る事が真の勝利でなく、寄せ集めのランナーが一つのチームになる事が箱根に勝利する事なのだと言っている。
もちろんこれは駅伝だけではなく自分には何の取り柄もないと思っているかもしれない読者も、各自の欲する物に向かってゴールを定め進んでいけと言っている。
たとえ一人であっても自分と自分を奮い立たせるおのれ自身とのチームを組めば良い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年9月15日
- 読了日 : 2014年9月15日
- 本棚登録日 : 2014年9月15日
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