「そんなことはない」フェンストンは絵を見ながら言い張った。「ファン・ゴッホが左の耳を切り落としたことは小学生でも知っているぞ」
「しかし、彼が鏡を見ながら自画像を描いたこと、そのせいで右耳が繃帯で覆われていることは、知らない小学生だっていますよ」
2020/2/17読了
本作の敵役であるフェンストンの企みは、最後には完全に粉砕されるが、それで彼がどうなったのかが描かれていないのが、ちと不満(そこは、想像にお任せという事か?)。それにしても、絵のすり替えトリックは良いとして、こんな判り易い偽物にしておいて良かったのか、という疑問は生じる。とは言え、フェンストンは耳のことを言われるまで気付かなかったのだから、美術品を金銭的価値でしか見ていない彼への痛烈な当てつけだったとも採れるのか。
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- 感想投稿日 : 2023年9月24日
- 読了日 : 2020年2月17日
- 本棚登録日 : 2023年9月23日
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