「あとみよそわか」という不思議な言葉を時々ネット上で目にしてはいたが、それが幸田文の文章にでてくる言葉だとは覚えていなかった。
父・露伴を看取った壮絶な文章。圧巻である。
そしてその後に続く、露伴から習った生活のもろもろをつづった作品がすばらしい。流れるような文章、音楽のような文章とはこういうものの事を言うのだろう。
これほどの文章を書いておきながら文盲と自分を揶揄する著書に真摯な姿が見える。
たくさんの章に分かれているが、この本は全体でひとつの作品だ。途中から読んだりせずに、最初から最後までじっくりと読みたい作品。
久々に読み終わりたくないと切に感じた読書だった。
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- 感想投稿日 : 2009年2月5日
- 本棚登録日 : 2009年2月5日
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