オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)

  • 講談社 (1994年2月4日発売)
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感想 : 58
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Amazonの書評で「人生変わった」という人がいて、思わず図書館で借りた。

邦題は「オプティミストはなぜ成功するか」だけども、原題は「Learned Optimism」。
著者は「学習性無力感」(Learned Helplessness)を発見した心理学者。
学習性無力感は、何をやっても自分には事態を変えられない、と学ぶと、人も動物もそれ以上どれだけ悪いことがあってもそれを解決しようとする行動をしなくなってしまう、というようなことで、無力感が学習で定着するなら、Optimsm(楽観)も学習できるのでは、ということから着想されたタイトルだと思う。

ネガティブなことが起こった時、たとえば試合に負けた時、スポーツ選手がどう説明するかといえば、
悲観的な人の場合「私がうまくやれなかったからだ。今シーズンずっと調子が悪い」
楽観的な人の場合「アウェイだったからだ。今日は相手の応援がすごかった」
というように、同じ物事に対する説明が変わってくる。
何が起きたとしても、そのことをどう説明するかで、捉え方は大きく変わる。

ネガティブな物事に対し、
悲観的な人は、自分が悪い(内向)、これまでもこれからもずっと変わらない(永続)、私は全てがだめだ(普遍)
楽観的な人はその反対で、自分の外に原因がある(外向)、たまたま、今回は(一時的)、不得意なのはこれだけ(個別)

という正反対の説明になる。
この構造が分かっただけでも、自分には収穫だった。
無意識なセルフトークがネガティブに振れまくっているのに気づくことができる。
気づく→修正を習慣にできれば確かに考え方を変えられるのではないかな、と希望をもてる。

否定的/肯定的のレベルをはかるテストは思わずやってしまった。
設問も多く、集計も大変なのだが、その分精度も高そうだ。
結果は、、予想通りものすごく自己否定していた。

私は多分子どもの頃から学習性無力感にさいなまれていて、今これをどうにか変えたいと思っているので、読んで良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月25日
読了日 : 2022年10月25日
本棚登録日 : 2022年10月25日

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