きみはいい子 DVD

監督 : 呉美保 
出演 : 高良健吾  尾野真千子  池脇千鶴  高橋和也  喜多道枝  黒川芽以  内田慈 
  • ポニーキャニオン
3.84
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  • (6)
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本棚登録 : 308
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013452787

感想・レビュー・書評

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  • 学級崩壊寸前の先生が、家の人にギューッとしてもらう宿題を出す場面がよかった。みんな照れているけど、懐かしさとかあったかさを感じて嬉しそうだった。
    障害をもっている子が鍵が見当たらなくて近所のおばあちゃんちにおじゃまする場面もいい。お仏壇に一緒に手をあわせたりして、とても落ち着いていた。迎えに来たお母さんがその様子を聞いて救われていた。
    虐待のトラウマに苛まれていたお母さんも、ギューに癒されていた。
    池脇千鶴さん演ずるお母さんの深い優しさに救われる。

    「幸せは、晩ごはんを食べてお風呂に入ってお布団に入って、お母さんにおやすみを言ってもらう気持ちです。」

    きみはほんとうによい子

  • きみも、きみも、きみも、きみも、みんな、いい子。映画なんだけど、ドキュメンタリーのような臨場感。抱き締めよう。池脇千鶴ちゃんはやっぱり素晴らしい女優さんだなぁ。WOWOWで録画して観ました。

  • 題名が ストレートすぎて、内容もストレート。
    虐待されていた子供が母親になった尾野真千子。
    自分の子供への距離感が分からない。
    同じように虐待してしまう。
    友達の母親の池脇千鶴から、教えられる。
    子供がダメなことをした時に、
    そっと抱きしめてやることを。

    おばあちゃんは、子供もいない。
    そのおばあちゃんに、通学の子供が
    いつも挨拶する。
    その子供が、おばあちゃんにとっては、
    心が休まることだった。
    しかし、その子供の母親は、
    その子供の挙動がおかしいので、
    いつもあやまってばかりいた。
    そのおばあちゃんにあって、
    はじめて褒められることにホッとする。

    高良健吾は新米の教師。
    子供達への対応が分からない。
    子供の気持ちが わからないのだ。
    4年生で夜尿症だった子が お漏らしした。
    その子供の母親からの抗議を受ける。
    そこから、学級崩壊が始まる。

    ある時、姉の子供に、抱きしめられたとき
    なぜか 不思議な感じを抱いた。
    騒いでいる子供達に宿題をだす。
    家の誰かに ぎゅっと 抱きしめられること。
    それから、子供達が変わる。
    そして、高良健吾も変わる。

    それぞれの心の傷が、癒される方法を
    みつけるのだった。
    ほんのわずかな希望が さしはじめる。

  • とても良いです。子供に対する虐待、イジメ、モンスターペアレント、学級崩壊、身体障害者の子供、初期の痴呆症の一人暮らしのおばあちゃん、迷いのある若い教師。なんともやりきれない物語です。でも、救いがあります。相変わらず、池脇千鶴さんの演技に感服です。菩薩のようです。涙が出ました。

  • 大人にも子供にも、誰にでも悩みや苦しみがありますよね・・・
    そしてそれが・・・
    人に言えない・・・
    言う人がいない・・・
    分かってもらえない・・・
    ・・・
    うむ・・・
    生きるってなかなかつらいもんでもありますよね・・・
    で・・・
    この映画が扱っているのは・・・
    幼児虐待・・・
    育児放棄・・・
    いじめ・・・
    学級崩壊・・・
    独居老人・・・
    認知症・・・
    障害児の親・・・
    等々でして、観ていてなかなかに暗鬱になる・・・
    他人事とは思えない・・・
    フツーに身近に起こるような問題過ぎて・・・
    ヘヴィであります・・・
    さらにヘヴィに感じさせるのが役者の方々の演技がヤバいから・・・
    高良健吾、尾野真千子、池脇千鶴、富田靖子、加部亜門をはじめ、皆様とても良い・・・
    特に尾野と池脇と加部くんは際立ってた・・・

    話としては3つのプロットがありまして・・・
    いじめに学級崩壊に育児放棄されている生徒にと、問題山積みの新米小学校教師の部と・・・
    夫が単身赴任でいない中、幼い娘を虐待してしまう母親の部と・・・
    認知症気味の独居老人と障害児とその母親の部と・・・
    この3つはほとんど絡み合わないけども、同じ町の中での出来事であり、同時並行で物語が進んでいく・・・
    共通するのは、ほとんど独りだということ・・・
    家族がいる、いないに関わらず、独り感が漂う・・・
    繋がってない感と言うべきかな?
    それぞれ独りで直面する問題に埋もれそうになっていく・・・
    けれども・・・
    甥っ子に抱きしめられ・・・
    同じ過去(傷)を持つママ友に抱きしめられ・・・
    人のぬくもりに接することによって、ちょっとだけ、かすかに、光が差し込む・・・
    問題が途端に解決するわけではないけれども・・・
    人は誰かと接することによって・・・
    救われるのだと感じさせてくれる映画・・・

    演技も演出もとても◎
    高良や尾野が抱きしめられるシーンはヤバい・・・
    安直だけど、大事な人を抱きしめたくなるよマジで・・・
    監督やるなー

  • 新米小学校教師、子どもを殴ってしまう母、ちょっとボケたおばあちゃん、そして子どもたち・・・さみしさを抱えるそれぞれの人生が交錯する。
    愛されたい、抱きしめられたい、そういう欲求って誰もが持っているし、それが満たされる必要があるんだってことを改めて確認させられる。
    「しあわせ、というのは、晩ごはんをたべて、お風呂に入って、おふとんに入って、お母さんにおやすみって言ってもらったときの気持ちです」という台詞が印象的だった。

  • 本気でムカついた。なかなかです。
    途中でコレって…原作読んでたのに気付いた。
    こんなにムカつかなかった気が。
    見せ方の切り口でいい具合で原作を
    もっといいニュアンスにしてると感じた次第。

  • 虐待シーンは、思ったよりひどくなく。
    でも重い。

  • 「オカンの嫁入り」「そこのみにて光輝く」の呉美保監督の作品です。

    素晴らしかった!

    虐待や学級崩壊、ニグレクトなど様々な社会問題を、大人や加害者側の視点に立ち描くことで、子育てとは何か、教育とは何か、子供とは何かを丁寧に映し出しています。

    3つのエピソードがそれぞれ平行して進む群像劇なんですが、それぞれの登場人物が出会ったり関係性が示唆されたりということはほとんどありません。
    でも、親や教育者として未熟なままのキャラクターたちが同じような問題に苦しみ悩み、子供という大きな存在によって助けられ成長していく救いの物語として物凄く良く出来ています。

    「そして父になる」を観た時も思ったのですが、子供と向き合うことっての難しさって半端じゃないんだなぁと。
    経済的に不自由させなければ立派な親なのかとか、威厳を保っていれば良い家庭を作れるかとか、そんな合理的な事だけでは片づけられない辛さがそれぞれあるんだと思います。

    親も未熟でで色々な過去があり子供から逃げ続けてしまうこともあると思うんです。最近観た「ババドック」だって同じで、子供という他者との対話は容易じゃないことを描いていました。
    こんな感想を書いてる僕も含めて子供の目線になったポーズはできても、それを実行するのは大変なことなんです。

    でもそれを可能にしてくれるのはやっぱり子供という偉大な愛情の受け手で、注いだ愛情と同じ分だけ救いと喜びをもたらしてくれる。辛い過去や未熟さから解き放つきっかけを与えてくれるのが子供なんだと伝わってきました。

    子供の演出は監督の技量がモロに出てしまうと思うんですが、呉美保監督の子供演出はもはや全世界の監督全体から見てもトップクラスだと思います。
    是枝裕和クラスの超リアルで繊細な子供演出で、演技という垣根を超えています。特に知的障害のある子供を演じた加部亜門君の演技力はヤバい、普通に知的障害のある子を引っ張り出してきたのかと思いましたw(加部君は「ちはやふる」という映画でも子役で出演していましたね)

    桜で全体をまとめ上げる演出も素敵過ぎます。

    冒頭で「桜はゴミになるから撤去される」なんて文言がありました。確かに落ちた桜の花びらは処理が必要ですが、ゴミなんて言い方身も蓋もないですよね。

    子供も大人にとっては与し難い存在で、人によっては迷惑かもしれない。
    でも子供も桜も人を元気づけ、喜びを与えてくれる存在であり、それが真っ直ぐ照れ隠しせずストレートに伝わってくるラストでした。

    グチャグチャ書いちゃいましたが、めちゃくちゃ良い映画です!

  • なんと観ているのがつらい映画よ…。でも邦画はこうあってほしい、という素晴らしい映画だった。
    子どもはみんな違うし、でもみんないい子だよ。それでいいと思う。
    頭に血がのぼると、思わず娘を折檻してしまう尾野真千子の演技が観ていてとにかく痛々しくて…。
    娘のこと、嫌いじゃないのにね。昔親に受けた虐待があって、どう向き合っていいか分からないんだろうなぁ。
    尾野真千子を助けてあげる同じマンションの主婦が、抱き締めた瞬間に号泣。この人はどうやって乗り越えられたんだろう。そばに旦那さんがいるかいないかも、どれだけ子育てに協力的なのかでも違うんだろうなぁ。
    そして何より、あのアパートに住んでた神田くんの今後が心配で心配で仕方ない。ノックするシーンで終わってたけど、わたしが担任なら、欠席してた朝イチでアパート行っちゃう。
    どういう結末を想定してたのか、観たかったなぁ。

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