不思議島 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2006年5月27日発売)
3.25
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本棚登録 : 154
感想 : 29
3

ミステリージャンルの2つ、
フーダニット(誰がやったのか?)と
ホワイダニット(なぜやったのか?)が融合した本格ミステリです。

15年前に誘拐され
身代金と引き換えにその日のうちに奪還された主人公ゆり子。
ひどい目に遭った記憶も外傷もなく
ただ犯人の正体だけがわからないまま大人になるんですが
”不思議島”について調べているという新任医師の里見と出会い
ともに調査を進めていくにつれ
目を背けたくなるような真実が徐々に暴かれて・・・。

日本史に触れていたり
乗り物トリックを絡めていたり
伏線も謎解きの構成もしっかりしているので
ミステリ好きのためのミステリと呼べる作品だとは思うんですが
ストーリー性重視のあたし的には切なすぎて。
しかも思わず涙ぐんでしまうような切なさではなく
やりきれなさというか報われなさというか。
登場人物たちのその後、を考えちゃう人は
読後に軽い虚しさを覚える一冊のような気がします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2014年3月29日
読了日 : 2014年3月29日
本棚登録日 : 2014年3月29日

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