月は無慈悲な夜の女王

  • 早川書房 (2010年3月15日発売)
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本棚登録 : 635
感想 : 38
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中盤退屈な部分はあるし、訳があえてなのか英語を直訳したような言い回しではあるけど面白い。

2075年の月は地球からの罪人達の子孫が暮らしており、女性が少ないため女性中心の部族型社会で、空気は無料ではない世界。
そんな月が地球から独立する話。
月があくまで紳士的に対応していくのに対して地球側とは交渉が決裂し、月が地球に岩で攻撃をするから退避せよと言うのも聞き入れず…
月側は地球の降参を待つが、地球では情報操作され月はいずれ降参するだろうと報道されている…
月の人間達は罪人の子孫であり対等ではないという地球人のエゴが招いた結果とも言えるのかもしれない。
この壮大な計画を立てたのはAIのマイクであるところも面白い。AIの方が人間よりよっぽど速く計算できて将来の見通しが立つ…
でも、結局戦闘後にマイクはいなくなってしまう。
もしかしたら未来の地球もそうなるのかもしれない。
主人公の目線から全てが書かれているのも面白い。
視点が限られているからこそ想像の余地がある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年7月22日
読了日 : 2022年7月22日
本棚登録日 : 2022年7月22日

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