2021. 11. 2 読了
当時ブクロクで見つけられず、別途感想を載せたのでこちらに改めます。いいねして下さった方々、大変申し訳ございません。
新人賞受賞後の初の長編書き下ろしで描いた推理長編である、昭和56年10月15日発行
江東区の町工場で働く聾者の佐々木晋一、寝たきりの母、飲み屋の幸子、薬屋の樫村富子、其々の死の真相を幸子の同僚のお時さんと新聞社の古賀が追い求める。ろう者の立場が、社会から理解されず、理不尽な思いをしている様を徹底的に描き出し、障害者の歴史の授業の教材にもされる作品。
「人は誰しも、言葉によって他人とコミュし、言葉で思考する。それは言葉にやって初めて人間は人間になることができる、ということ。ろう者が苦労して習得した言葉も使わなければ忘れてしまう。社会は話しかけず、使う機会も与えず、その孤独は人間性を失ってしまう危険性を伴っている」と話す聾学校の教師の言葉に、はっとさせられた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年6月30日
- 読了日 : 2022年6月30日
- 本棚登録日 : 2022年6月30日
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