救世群(プラクティス)の誕生話。時代的にはまさに現代を舞台としているので、イメージも湧き易く、より親近感をもって読むことが出来た。1巻との時代差が数百年あるので、直接はつながらず、どこからどうなってプラクティスが化け物じみた様相を持つに至ったのかはまだ分からずじまい。メニー・メニー・シープでは周囲への感染がかなり抑えられていたから、大体の予想はつくけど、実際どうなっていったのかは今後のお楽しみである。
児玉圭吾か矢来華奈子のどちらかがセアキ・カドムの先祖だろうとは思うがさてどちらだろうか。私的にはやはり医者である児玉圭吾じゃないかなと、もしかしたら二人が結婚してその子孫がセアキ家を作るのかもしれないけど。
より現実的だったこともあって、臨場感を楽しむことが出来た。パンデミックの描写、感染の拡大、東京パンデミックなんかは、内容の凄惨さも印象深く、これだけでひとつのSFが完成していると思えた。実際に起こりえると思えたからこそ楽しめたのだと思う。
話としては一冊丸ごと使ってプラクティスの誕生のみに目線を当てた形だが、3巻では時系列を飛ばさずに続きをやるのかどうか。全体の尺を考えたら、少し飛びそうな気はするけれども果たしてどうだろうか。
個人的には1巻よりも楽しむことが出来た。フェオドールがこんなところから現れたことや、現実的で、それでいてSF要素も組み込まれた内容、登場人物のバリエーションなど、お気に入りに入る一冊となった。
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- 感想投稿日 : 2016年4月3日
- 読了日 : 2016年3月31日
- 本棚登録日 : 2016年4月3日
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