屍蘭: 新宿鮫3 (光文社文庫 お 21-7)

著者 :
  • 光文社 (1999年8月1日発売)
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本棚登録 : 1381
感想 : 103
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大人気シリーズ新宿鮫。1・2を高校時代、リアルタイムで読んで以来、なんだが遠のいていたシリーズだが、たまたま古本屋で発見したので、購入してみた。

新宿署刑事鮫島と、ロックシンガー晶の恋愛も絡めつつ基本は新宿を舞台としたハードボイルドアクション。ところが今作はアクションの部分はなりを潜めており、どちらかというと心理戦。
鮫島の敵となる相手も、一代でのしあがった美人実業家と、彼女を子供のように可愛がる看護婦という、アクションとは程遠い人たちに設定されている。
ただしその看護婦は、実業家の彼女のためなら殺人もいとわない。
そんな彼女たちが、鮫島を失職の危機にまで追いやる。

二人の女性が出会うきっかけとなった、もう一人の女性が眠る病室の、むせ返るばかりの蘭の花。蘭に対する実業家の思いをストーリーの中で知ると、その思いの重さ・怖さに慄然とする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ハードボイルド
感想投稿日 : 2015年7月25日
読了日 : 2004年3月20日
本棚登録日 : 2015年7月25日

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