文庫本になってから購入したカスタマーですが、非常に読みやすい本というのが第一印象。つまり言い換えれば非常に聞きやすいスピーチを出井氏がしているということだと思います。更に冒頭にも書かれているように、ただ聞きやすいだけでなく印象に残るキーワードをカチっとはめている意図も良くわかった。「非連続の時代」「クオリア」「統合と分極のマネジメント」「デジタル・ドリーム・キッズ」などなどである。
これらの言葉は社員に対する意識形成だけでなく、世間一般に対しても、「ソニーがまた何か新しいキャッチーな言葉をつくったぞ」、と思わせたかったのでしょう。恐らく世間のあちこちの企業で同じような言葉が今でも社長から伝えられているのではないでしょうか。
私が本中で最も印象に残った言葉は、実は盛田氏が言ったとされる「万が一君が失敗したとしてもソニーは失敗から学ぶことが出来る」という言葉でした。その後出井氏は自分のPC事業の失敗を紹介し、それが現在のVAIOの成功につながった旨を述べています。私は個人的にこの精神が日本企業の成功の根底にあったのではないかと感じています。1回泥まみれになってからはい上がった人は強いですよね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年4月24日
- 読了日 : 2004年7月18日
- 本棚登録日 : 2023年4月24日
みんなの感想をみる