解説までをじっくりと読み、自分の感じたこととさまざまな解釈を照らし合わせてみたが、難しいことはわからない。
全編通してとても面白い作品だった。アンナの破滅的な恋愛に対してリョーヴィンの日常、幸せな家庭のストーリーがあり、また、その2つの大きな流れを結びつけるように多くの人物が絡み合っている。ロシアの時代背景もよく映し出されていて壮大で複雑な物語となっている。
アンナの死を描く文章と、リョーヴィンの最後信仰について考えるシーンは深く感動した。
私はキリスト教を信仰しているわけではないのでリョーヴィンの境遇と一致しているわけではないが、善に対する考え方には大いに共感できた。タイトルにもなっているアンナの死で終わらないのは不思議ではあるが、リョーヴィンの世界で終わるこの終わり方もなかなかに素敵だ。
私はアンナを好きになれそうで好きになれなかった。たぶん読者にそう思わせるようにトルストイが考えたのだろう。最初は魅力的だと思っていたが、だんだんアンナの行動に疑問を持つようになった。ヴロンスキーに対して嫉妬深く自己中心的で、さらに母性が欠けているようにも思える。
もちろん私にはアンナよりもリョーヴィンの世界やドリーの世界が自分に近いと感じられた。
長編だったので今読み終わった時点で1巻など最初の方のエピソードはもう忘れているところも多いだろう。10年20年経った時にまた読み返せたら嬉しい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年3月31日
- 読了日 : 2023年3月31日
- 本棚登録日 : 2023年3月31日
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