見知らぬ乗客 (河出文庫)

  • 河出書房新社 (2017年10月5日発売)
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本棚登録 : 283
感想 : 21
4

同性愛的な空気、エディプスコンプレックス
母親を女性の理想・幻想とする雰囲気もあるが、
独善、偏執、執拗、鬼気、狂気
勝手に過度な共感愛情愛着、歪み狂った感情を
スマートに凶暴にあいてに流し込み、ぶつけ
自身の破滅だけではなく、相手の破滅も
愛ゆえに呼び込んでしまう、身勝手への不愉快さ。
巻き込まれ、追い込まれ、抗いながらも
狂気の世界に踏み込んで、泥沼から抜け出せず
ズブズブと深みに入り込み、破滅へ向かう苦しさ。
ラストは本当にこれまでの世界がボロボロと崩れ落ちて
行くような感覚を覚えるが、
どこで、どの時点で、どうすればよかったのかではなく、
出会わなければよかった、出会ってしまった時点で
全てが決まっていた、終わっていたという
むなしい絶望感。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外-小説
感想投稿日 : 2018年2月6日
読了日 : 2018年2月6日
本棚登録日 : 2017年11月22日

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