古典です。アンは私が外国の児童文学の主人公では2番目に好きな女の子です(1番はあしながおじさんのジュディ)
昔から大好きで読み返している本ですが、大人になってから松本侑子訳を読んで、更に新たな面白さを知りました。装丁もとても綺麗です
マシューがダイアナの名前を「不信仰だ」と言った理由は、名前の由来がギリシア神話から来ているから(キリスト教にとっては異教)というエピソード等。たくさんの隠された話は、今までの訳では省かれていたものでした
マシューがアンに「1ダースの男の子よりも、アンがいてくれたほうが良いよ」と語りかけるシーンでは、いつも涙が出てきます
女の子のバイブルとして取り上げられることが多い本ですが、多くの女の子が憧れるのはダイアナのように刺繍をしてパイを焼き家庭に治まる女の子であり、進学して職業婦人になるアンではないというところにも、大人になってから気がつきました
そしてこのアンは作者のモンゴメリ自身でもあります。女の子の夢と希望に満ち溢れた本ですが、モンゴメリが晩年は夢見る少女アンを書くことに疲れていたこと、職業婦人として働くことに疲れて自殺したことは意外と知られていません
子供の頃に読んだときは田舎の慎ましい生活や風俗、文化、ファッションに憧れていましたが、大人になってから読むと逆境にもめげず、明るく人生を切り開いていくアンに引きつけられていることを感じます
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カテゴリ:
児童書
- 感想投稿日 : 2008年12月3日
- 本棚登録日 : 2008年12月3日
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