無印ニッポン: 20世紀消費社会の終焉 (中公新書 2013)

著者 :
  • 中央公論新社 (2009年7月1日発売)
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感想 : 29

下流社会の三浦さんとセゾンの堤さんの対談本。
「無印」とタイトルについているけど、無印良品の話は一部で、無印的な物が評価される現状の若者の消費行動についての本。
確か、若年層の消費行動系の本でのAmazonリコメンドだったと思う。

全編を通して、「これまでの消費スタイルは、全国が画一的に私有物を増加させるというものだったが、もの余りになっている中、もっと消費に多様性を持たせましょう。」という内容を、文化的なものから発生しつつ、堤さんはマーケティングの観点で、三浦さんは比較文化論的な観点で述べている。

多様性に関する認知で良いなと思ったのが、「本質的な多様性は、表現の多様性ではなく、認識そのものの多様性であるはず。」という部分。
多様性はポジティブな文脈での使用が最近は多いけど、多様性を持っているのは認知である事は強く意識したい。

三浦さんは、下流社会からの意識か「男性の方が、(特に低年収層で)男女の平等意識が進んでいる」と述べており、婚活に関しては男性側にアドバンテージを与える施策を提案。
とはいえ、「社会の分化を経済的な側面からだけでなく、文化的な側面からも見ていく事で、「下流であり下層でない社会」が見えてくる。」とも述べているので、施策は経済的な物のみをイメージしていらっしゃるのでしょうか。

後、堤さんはなんとも無しに「掲載数の波はあるでしょうが、人口が減っていく中で『3年』以上伸びる事は無い」って名言していらっしゃるけれども、一流の経営者のこういう感覚こそ盗みたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年5月3日
読了日 : 2011年5月3日
本棚登録日 : 2011年4月26日

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