狐罠 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2000年5月12日発売)
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本棚登録 : 819
感想 : 103
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 旗師の女性が活躍する、美術ミステリー小説。
 同業者に贋作を掴まされた主人公は、矜持を懸けて、元凶に意趣返しの罠を仕掛ける。
 さなかに巻き込まれた殺人事件の謎解きと、骨董業界に蠢く、曰くありげな者たちの思惑がひしめくコンゲーム小説でもある。
 美を扱い、鑑定する業界の奥深さ。
 醜悪なまでの泥臭さと、その先にある奇妙な高尚さ。
 美と醜さが共存、というよりも、表裏一体としてそこに在る。
 そして、時間の織り成す功罪。
 人間の業と、プロ同士の化かし合いが入り乱れる複雑な世界観の中、誇りを持って挑み続ける、ヒロインの凛とした涼やかさが際立つ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(ミステリ・サスペンス)
感想投稿日 : 2020年9月14日
読了日 : -
本棚登録日 : 2020年9月14日

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