素顔の伊達政宗~「筆まめ」戦国大名の生き様 (歴史新書)

著者 :
  • 洋泉社 (2012年2月6日発売)
3.47
  • (4)
  • (4)
  • (7)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 67
感想 : 9
4

 奥州の覇者・独眼竜こと伊達政宗の手紙や遺品を元に、その生き様と人物像を紐解く歴史新書。
 政宗の自筆の書状からは、人となりが鮮やかに浮かび上がり、彼を取り巻く父母や妻子、家臣たちとの関わりも篤く生々しく見えてくる。
 元・仙台市博物館長によって書かれた本書は決して居丈高な調子ではなく、入門的な内容で平易な文体ながらも、深い洞察による解説には大変興味を引かれた。
 中でも、巷では不仲説が通る母親・義姫との情愛の籠もった手紙の遣り取りと、当時の伊達家の状況をも背景に考察した『大悲願寺住職・法印秀雄=政宗の弟』の史料による『小次郎生存説』には瞠目した。
 また、鄙の華人と称された政宗の教養の高さにも広く言及している。
 特に、書の流麗さには白黒写真だけでも惹きつけられ、是非とも現物を拝みたいと思わせる。
 これを機会に、筆者の他の著作も読んでみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 評論・エッセイ・ルポルタージュ・伝記
感想投稿日 : 2015年9月25日
読了日 : -
本棚登録日 : 2015年9月25日

みんなの感想をみる

ツイートする