メインストリーム――文化とメディアの世界戦争

  • 岩波書店 (2012年8月30日発売)
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感想 : 9
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フランス人の著者が世界105か国1200人以上にインタビューして、大衆文化(マスカルチャー)とメディアについて地政学的にまとめた本。
世界を席巻するアメリカのメインストリーム文化を支えるのは、アメリカ国内における文化的序列のパラダイムシフトと強固な多様性の推進である。「高尚な芸術か低俗な大衆文化か」という文化的境界線が崩壊し「クールかスクエアか」へという序列へ移行した。大手映画会社とミニスタジオの関係や大手出版会社とインプリントの関係に見られるように、大手が資金を出し、多数の製作プロダクションが作品製作を競い合うことで、多様性を確保している。
一方、他の国では、国ごとの文化はそれぞれに豊かで、質も高く、国内では人気も高いのだけれど、国外には広まらない。その国の文化「以外」にはアメリカ文化しか存在せず選択肢はその二つだけという状態になっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 3 社会科学
感想投稿日 : 2013年1月3日
読了日 : 2013年1月3日
本棚登録日 : 2012年10月21日

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