シリーズ日本近世史の最終巻は、藤田覚先生の「幕末から維新へ」。昔、「遠山金四郎の時代」を非常に面白く読んだ記憶があるが、本書も前半の語り口が快調で非常に面白い。その分やや後半が「教科書的」なのだが、その間をつなぐ第3章「近代の芽生え」は教育と思想史に焦点を合わせた思い切った叙述になっていて短いながらも読ませる。近世民衆の地の到達点は、しかし、西洋近代を生み出したようなサイエンスではなかったのだが……。
あと43ページに触れられている水野忠成の貨幣改鋳を「そっちこそ贋金作り」と喝破した贋金づくりのエピソードの元は『藩秘録』でいいのかしらん?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本史
- 感想投稿日 : 2015年9月11日
- 読了日 : 2015年9月8日
- 本棚登録日 : 2015年8月15日
みんなの感想をみる