禁色 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1964年5月4日発売)
3.62
  • (131)
  • (190)
  • (343)
  • (21)
  • (2)
本棚登録 : 2216
感想 : 185
4

三島由紀夫、男色の名作。

人間の醜さを三島由紀夫特有の文章の美しさで、綴られる。

相変わらず病みつきになる三島由紀夫の文章、そして醸し出す筆者の世界観。

今回は男色を描いているけれど、生々しい文章も取り分け美しく描かれている。

悠ちゃん、
彼は甘美なる絶望的な孤独者。
惹かれてしまうのは、人間同志が持つ、『孤独さ』がお互いに共鳴し合ってしまうからかもしれない。

お金が全てではないけれど、俊輔の最期、悠ちゃんへ示した愛は…お金よりも遥かな呪縛、永久に甘く苦しい呪縛。

あの終わり方は好きでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年8月17日
読了日 : 2012年8月17日
本棚登録日 : 2012年8月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする