キングと言えばホラーと、全部ホラーの棚に放り込んでしまったけれど、厳密に言うとホラーとは言いがたい作品もけっこう多い。この『It』も、最初と最後は正統派ホラーで怖いんだけど、途中のあたりはいつものキングの「ティーンエイジャーの青春小説」風な挿話が多くて、そこが楽しい。
この『It』はアメリカではテレビドラマで映像化されていて、それもそれなりに楽しいのだけど、ドラマとして面白いのは圧倒的に主人公達の子ども時代だと思う。
とにかく盛り込まれたプロットが物凄く多くて、文春文庫で4冊というボリュームだけれど、実際、普通の小説の4、5倍の物語が含まれていると思っていいくらい。
この『It』以降のキング作品は、ちょっと私の好みからはずれていってしまうので、そういう意味でも惜別の感のある一冊でもある。それにしても、何度読み返しても面白いし怖い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ホラー
- 感想投稿日 : 2009年11月18日
- 読了日 : 2009年10月9日
- 本棚登録日 : 2009年10月9日
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