小学校4年生のさよが、同級生の仄田くんと一緒に不思議世界をめぐる、というお話。さよには、父母が離婚した後の寂寞感や様々な疑問がある。仄田くんには、祖母の過干渉やクラスでのいじめにより、周囲との壁を作っている。
二人は、不思議な夜の世界を一つ一つ体験するごとに心も体も成長していく。彼らの苦境は、大人の知恵や力では解決できるものではない。結局は子ども自身で乗り越えていかなければならない壁なのだ、ということを教えられた気がした。子育て経験者から見ると大人の無力さのようなものを感じてしまう。子どもが読んだら、彼らの冒険を頼もしく思うだろうか。
「七夜物語」と題する本が彼らの成長のきっかけとなっているところが興味深い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本作家か行
- 感想投稿日 : 2022年3月26日
- 読了日 : 2022年3月26日
- 本棚登録日 : 2022年3月26日
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