北国の湿原に囲まれた全寮制の学校。主人公理瀬は2月にこの学校にやってきたのだが、この季節での転校は極めてまれなのだという…
最初から不気味で、こんな学校に閉じ込められたらやってられない、と思っていたら案の定次々と事件が起こり、心もざわざわしてきた。主人公のいきさつが曖昧なので余計に不安になる。著者はそうした読者の心の隙がよくわかっている。
しかしそんな中で図書館や蔵書、さらに中庭の描写には心が躍った。高級感漂う建物と充実した書架が目に浮かぶ。
ラストはまさかの流れとなった。生まれながらに特異な人生を歩まざるを得ない人々の集団に恐れおののいている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本作家あ行
- 感想投稿日 : 2022年4月4日
- 読了日 : 2022年4月4日
- 本棚登録日 : 2022年4月4日
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