すっかり騙されてしまった。冒頭で、てっきり、主人公が愛する人のために復讐する物語だと思いこんでしまったのだ。後に続くストーリーでも、主人公の父に対する憎しみ、女性に対するぎこちない話し方、さらに病院周辺をうろつくあやしい車、隠し事をしているらしい病院関係者などなど、彼の周囲には怪しさが充満しているのだ。いつもの悪い癖、犯人探しが自分の中で始まってしまった。著者の、読者を迷わす作戦にまんまとひっかかったことになる。でも思い返せば展開はかなり都合よく進んでいたような気もするのだ。いわゆる偶然の積み重なり、というやつだ。顛末が知りたくて一気に駆け抜けた読書だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本作家た行
- 感想投稿日 : 2022年9月26日
- 読了日 : 2022年9月26日
- 本棚登録日 : 2022年9月26日
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