赤い指

著者 :
  • 講談社 (2006年7月25日発売)
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感想 : 796
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犯人は最初からわかっている倒叙タイプのサスペンス。殺人を犯した息子の犯行の隠蔽に奔走する両親。そのあまりにも身勝手な考えと行動は胸くそ悪いが、先が気になって気になってどんどん読み進めてしまう圧倒的リーダビリティはさすが東野圭吾。

加賀刑事がその隠蔽工作をロジカルかつエモーショナルに打ち崩していくプロットが上手い。さらには、事件当事者家族と加賀刑事自身のヒストリーとがリンクし、上記胸くそ気分を綺麗さっぱり吹き飛ばしてくれるラストのおかげで読後感は晴れやか。家族の在り方に想いを馳せる一冊。

週刊文春ミステリーベスト10 4位
このミステリーがすごい! 9位
本格ミステリ・ベスト10 14位

《加賀恭一郎シリーズ》
1.卒業
2.眠りの森
3.どちらかが彼女を殺した
4.悪意
5.私が彼を殺した
6.嘘をもうひとつだけ
7.赤い指
8.新参者
9.麒麟の翼
10.祈りの幕が下りる時
11.希望の糸
12.あなたが誰かを殺した

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス
感想投稿日 : 2023年11月9日
読了日 : 2023年11月9日
本棚登録日 : 2023年11月9日

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