デトロイト美術館の奇跡

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  • 新潮社 (2016年9月30日発売)
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かつて米自動車産業の中心地として栄えたミシガン州デトロイト市。
デトロイト市は2013年、同州連邦破産裁判所に連邦破産法9条の適用を申請。米国史上で財政破綻した最大の自治体となった。破産法の適用については連邦破産裁判所での審理が続いていた。
財政破綻で年金を失う恐れがある退職者などの債権者たちを救うために、デトロイト美術館(Detroit Institute of Arts 通称DIA)のコレクション達は売られることになるのか…

実際に起きたデトロイト財政破綻からの資金調達劇を綴った物語。
先日読んだばかりの「存在のすべてを」に引き続き、美術を扱った“美術小説”。あちらでは“写実画”を扱っていたが、本書ではデトロイト美術館の中核をなす“印象派”を中心に紹介。特に表紙絵にもなっているセザンヌの《マダム•セザンヌ》にスポットが当てられている。

100ページ程なので、あっという間に読了。ストーリーの起伏が小さいので、特に心を動かされることは無かった。
近々仕事でデトロイトに出張する機会があるので、もし時間が許せばDIAも訪問してみたい。本書でも触れられているディエゴ•リベラのフレスコ壁画《デトロイトの産業》を一目見てみたい。

以下、作中で触れられていたアート(メモ)
《デトロイトの産業》ディエゴ•リベラ
《マダム•セザンヌ》ポール•セザンヌ
《アルルカンの頭部》パブロ•ピカソ
《自画像》ポール•ゴーギャン
アール•デコ建築
ミノル•ヤマサキ設計のビル

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 美術小説
感想投稿日 : 2024年4月21日
読了日 : 2024年4月21日
本棚登録日 : 2024年4月21日

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