乳と卵 (文春文庫 か 51-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2010年9月3日発売)
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描写ではなく話し言葉から、こんなにも勢いを感じるのは初めてかも。あえて文章を点で繋ぎ、前の言葉から連想ゲームのように思考があらゆる方向に駆け巡っていくのが、私は面白いと思った。(私も夢中で何かを考える時、こうなってしまう気が)
関西弁で柔らかく言葉が流れつつ、こそあど言葉を使い、展開も多く、読んでいて良い意味で頭を使って読み応えがあった!

内容としては、豊胸や生理を通じて、女としての自身の存在について考えさせられる一冊。豊胸をするまでの決意であったり、しようと思ったきっかけについて、どんなことがあったんだろうと考えたことがある私はこのお話に大共感。豊胸は、また整形とは違うんだよなぁ。豊胸に限らず、普通の定義や、美しさの基準や、適量というのは人それぞれ。

緑子ちゃんの日記は、性を考えさせられたり、生まれてくる本人は生まれる生まれないを選べないことや、親を大切に思っているけれどうまく伝えられなかったり言葉にできないことが書かれていて苦しくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月6日
読了日 : 2023年11月6日
本棚登録日 : 2023年11月1日

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