この本に出会えてよかった、と思える本。
じつは、自分が文章を書く上では、竹内政明『「編集手帳」の文章術』のほうがよほど参考になったように思う。
この本から私が学んだのは(やや個人的なことだが)次の二点である。
ひとつは、「教える立場にある者の姿勢」という点。
著者は、文章教室の講師になるにあたって40冊もの関連図書を読破し、しかも「さして得るものがなかった」というが、教える原点たる「書けない人は、いったい何がわからないのか」について飽くなき追求を続ける。彼がたどり着いたこたえは『書けない人は「どう書くか」がわからないのではなく、「何を書くか」がわからない。むしろ「どう書くか」の知識が書く障害になっている』ということである。
もうひとつは、この本の「文章」を「ビジネスプラン」に置き換えたら、まさにビジネスプラン研修のあり方の問題点の指摘になっている点である。
「何を書くか」は教えにくいが、「どう書くか」にはすでに定説があり、すこぶる教えやすい。教える側はとてもラクであるが、教わる側はその犠牲になる、というのである。
こんな本が680円で買えるなんて、なんて素晴らしいことだろう。ぜひ購入されてマーカーや付箋で存分に汚していただきたい。
読書状況:いま読んでる
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カテゴリ:
ライフハック
- 感想投稿日 : 2013年5月8日
- 本棚登録日 : 2013年5月8日
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