新書621 悪の正体 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2017年6月13日発売)
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本棚登録 : 145
感想 : 14

何も知らない人がこの表紙を見たら
「悪の正体はこの表紙の男だ」と思うことでしょう。

でもこのかたはこの本の著者の佐藤優さんで、良い人なんです。

私はソーシャルライブラリをやっていて、
佐藤さんの新刊がでるとわかるようになっています。
そしてどこの図書館にあるか調べて、
すでに予約者が並んでいると、
慌てて予約してしまうんですね。
実にまた、佐藤さんが次々と本を出すんですよ。

でも佐藤さん曰く、生活のためにはこんなに仕事しなくても大丈夫なんだけど、
聖書の言葉「受けるよりは与える方が幸いである」が原動力となって、
睡眠時間を削って、執筆活動や講演、そして勉強をしているのだそうです。

「すべての人が、幸福に生きるために、真に役立つ知識が身に着くことを願っている」そうで、
「人に騙されない、悪意に翻弄されない、経済的に成功する」という功利的な意味も含めて
「いかに良く生きるか」を目標に、「日本人の知の技法を高める」が長年のテーマなのだそうです。

この本に限っていえば、キリスト教の理解が深まって、すごく良かった。
佐藤さんの哲学系の本はいくつか難しくてコリゴリだったけど、
これも同じく哲学系統とするなら、すごくわかりやすくなったと思う。

「悪や悪意はどこに現れるか。それは人間と他者の関係に現れるのです。
自分の出世や名誉、利益のために人を道具として利用しているところに悪は生まれてくると考えています」と佐藤さん。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 池上・出口・佐藤
感想投稿日 : 2018年4月7日
読了日 : 2017年8月5日
本棚登録日 : 2017年8月5日

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