八日目の蝉

著者 :
  • 中央公論新社 (2007年3月1日発売)
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面白くて一晩で読んでしまいました
まだ頭の中をいろんなことがぐるぐる回っています。

と言っても、やっぱりこれは現実にはないと思います。
『日野OL不倫放火殺人事件』を元にしていますよね。
この加害者の気持ちはわかります。

でも不倫相手の子供を誘拐して、自分の子どもとして
愛して育てるっていうのは、ありえないと思います。
憎くて、嫌がらせで誘拐するっていうならわかります。

実際この被害者家族の心を酷く傷つけました。
「子供は3歳(5歳)までに親孝行の大部分をする」っていう説があるくらい、その頃の子供は可愛くて、その大事な時期をとりあげてしまったというのは大きいと思います。
でも希和子はそういうことを狙ったわけではありません。

赤ちゃんを自分のおなかで育て、胎動を感じ
その時期の大量なホルモンの影響で
母親らしい、子供を愛する気持ちが湧き出てくるのだと思います。

ですから、なかなか子供のできない女性とか
母親になる準備が充分できたのに死産になってしまったとか
そういう女性がどうしても赤ちゃんがほしいという気持ちはわかります。

中絶の延長線上に「この子の母になりたい」というのは
やっぱり不自然だと思います。感情移入できません。


でも、私にはそもそも不倫だって考えられないし
上の件を否定してしまったら物語は進まないわけだから
単に一意見として書きました。

小豆島に行ってみたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆小説☆
感想投稿日 : 2018年2月17日
読了日 : 2010年4月2日
本棚登録日 : 2010年4月2日

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