ポストコロニアリズム (岩波新書 新赤版 928)

著者 :
  • 岩波書店 (2005年1月20日発売)
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「ポストコロニアリズム」本橋哲也著、岩波新書、2005.01.20
232p ¥777 C0220 (2021.07.07読了)(2021.06.28借入)
◆誤植
57頁 後ろから5行目、3行目
58頁 3行目
誤 ヤマノミ → 正 ヤノマミ
南米に住むヤノマミ族がガリンペイロ(白人の金採掘者)に虐殺された記事が引用されています。元の記事の訳者は、南米についてよく知っている方のようなので間違えているとは思えないのですが、…。この本の著者は、イギリス文学が専門のようなので、やむを得ないとしても、岩波書店の校正担当が、見逃すというのは、はなはだ残念です。

Eテレの「100分で名著」でフランツ・ファノンの『黒い皮膚・白い仮面』が取り上げられ興味を持ちました。図書館の蔵書検索で「フランツ・ファノン」をキーにして検索してみたところ、フランツ・ファノンの著作はなく、この「ポストコロニアリズム」がヒットしてきたので、読んでみることにしました。

【目次】
序 いま、なぜポストコロニアリズムか
第一章 一四九二年、コロニアルな夜明け
第二章 「食人種」とは誰のことか―カニバリズムの系譜
第三章 植民地主義からの脱却―フランツ・ファノンとアルジェリア
第四章 「西洋」と「東洋」―エドワード・サイードとパレスチナ
第五章 階級・女性・サバルタン―ガヤトリ・スピヴァクとベンガル
第六章 「日本」にとってポストコロニアリズムとは何か
あとがきにかえて ―日本人のポストコロニアルな<責任>
ブックガイド・映像ガイド

☆関連書籍(既読)
「フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』」小野正嗣著、NHK出版、2021.02.01
「花岡事件 異境の虹」池川包男著、現代教養文庫、1995.09.30
「新版 悪魔の飽食」森村誠一著、角川文庫、1983.06.10
「新版 続・悪魔の飽食」森村誠一著、角川文庫、1983.08.10
「悪魔の飽食 第三部」森村誠一著、角川文庫、1985.08.10
「731部隊」常石敬一著、講談社現代新書、1995.07.20
「731」青木冨貴子著、新潮社、2005.08.05
「従軍慰安婦にされた少女たち」石川逸子著、岩波ジュニア新書、1993.06.21
「スペイン女王イサベルの栄光と悲劇」小西章子著、鎌倉書房、1980.12.01
「離散するユダヤ人」小岸昭著、岩波新書、1997.02.20
「1492年のマリア」西垣通著、講談社、2002.07.05
「コロンブス航海誌」コロンブス著・林屋永吉訳、岩波文庫、1977.09.16
「コロンブス」増田義郎著、岩波新書、1979.08.20
「略奪の海 カリブ」増田義郎著、岩波新書、1989.06.20
「コロンブス」青木康征著、中公新書、1989.08.25
「インディアスの破壊についての簡潔な報告」ラス・カサス著・染田秀藤訳、岩波文庫、1976.06.25
「新世界のユートピア」増田義郎著、研究社、1971.09.30
「アリストテレスとアメリカ・インディアン」L.ハンケ著、佐々木昭夫訳、岩波新書、1974.03.28
「エセー(一)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1965.05.16
「エセー(二)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1965.11.16
「エセー(三)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1966.01.16
「エセー(四)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1966.10.16
「エセー(五)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1967.09.16
「エセー(六)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1967.10.16
「ガリヴァ旅行記」スウィフト著・中野好夫訳、新潮文庫、1951.07.30
「ロビンソン漂流記」デフォー著・吉田健一訳、新潮文庫、1951.05.31
「アルジェリア戦争」ジュール・ロワ著・鈴木道彦訳、岩波新書、1961.06.24
「まんがパレスチナ問題」山井教雄著、講談社現代新書、2005.01.20
「ハイファに戻って・太陽の男たち」ガッサーン・カナファーニー著・黒田寿郎訳、河出書房新社、1978.05.20
「不可触民」山際素男著、知恵の森文庫、2000.10.15
「アラハバード憤戦記」牧野由紀子著、アイオーエム、2001.05.10
「ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」仲宗根政善著、角川文庫、1982.04.10
「ひめゆりの沖縄戦」伊波園子著、岩波ジュニア新書、1992.06.19
(「BOOK」データベースより)amazon
植民地主義のすさまじい暴力にさらされてきた人々の視点から西欧近代の歴史をとらえかえし、現在に及ぶその影響について批判的に考察する思想、ポストコロニアリズム。ファノン、サイード、スピヴァクの議論を丹念に紹介しながら、“日本”という場で「植民地主義以後」の課題に向き合うことの意味を考える、最良の入門書。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史
感想投稿日 : 2021年7月3日
読了日 : 2021年7月7日
本棚登録日 : 2021年7月3日

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