サラダ記念日

著者 :
  • 河出書房新社 (1987年5月8日発売)
3.80
  • (67)
  • (69)
  • (101)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 701
感想 : 91
5

(2014.10.01読了)(2003.11.14購入)
1987年(昭和62年)のミリオンセラーです。手元にある本は、1997年11月10日388刷です。増刷回数が、3桁になる本は、そんなにはないでしょう。
発売されて、27年目にしてやっと目を通したというのんびりした読書家です。
(詩歌を読むのが、あんまり得意ではないので、俵さんのエッセイは、いくつか読んでいます。)
出版当時24歳だった著者ももはや52歳?になっています。今はどんな短歌を詠んでいるのでしょうか。子どもがいるので、子どもを題材にした短歌も詠んでいるのでしょう。
石川啄木の短歌を読んだときは、見るもの聞くものなんでも歌にするという印象でしたが、俵さんも同様です。啄木の時代には、俳句や短歌は、お金にならないために、ノートに日記代わりに書いていた感じです。お金になるのは、小説だったので、一生懸命小説を書こうとしたけど、そちらの才能はあまりなかったようで、うまく行きませんでした。
俵さんと同じ時代に生まれたら、啄木ももっとたくさんの短歌を残せたのではないでしょうか。
平安時代には、短歌は男女交際のための必修科目だったそうですが、俵さんの短歌も、男女関係を扱ったものが多いようです。想像の産物なのか、実践の産物なのかは、生憎知らないのですが。

【目次】
8月の朝
野球ゲーム
朝のネクタイ
風になる
夏の船
モーニングコール
橋本高校
待ち人ごっこ
サラダ記念日
たそがれ横丁
左右対称の我
元気でね
ジャズコンサート・IMA
路地裏の猫
いつもアメリカン
跋*佐佐木幸綱
サラダ記念日あとがき

●気になった短歌
大きければいよいよ豊かなる気分東急ハンズの買物袋 (13頁)
にわか雨を避けて屋台のコップ酒人生きていることの楽しさ (17頁)
男というボトルをキープすることの期限が切れて今日は快晴 (23頁)
江ノ島に遊ぶ一日それぞれの未来があれば写真は撮らず (29頁)
「また恋の歌を作っているのか」とおもしろそうに心配そうに (45頁)
ダイレクトメールといえど我宛のハガキ喜ぶ秋の夕暮れ (60頁)
思いきりボリュームあげて聴くサザンどれもこれもが泣いているような (64頁)
いまだ見ぬ海の色してときめけり手帳に九十九里と書きこむ (82頁)
ようやっと名前覚えし子どもらの答案それぞれの表情を持つ (93頁)
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 (125頁)
五分間テレビ出演する我のために買われしビデオ一式 (137頁)
今日中になんとかせねば 母からの松茸少し面倒である (141頁)

☆俵万智さんの本(既読)
「ふるさとの風の中には」俵万智著・内山英明写真、河出書房新社、1992.11.30
「恋する伊勢物語」俵万智著、ちくま文庫、1995.09.21
「三十一文字のパレット」俵万智著、中公文庫、1998.04.18
「ある日、カルカッタ」俵万智著、新潮文庫、2004.03.01
「トリアングル」俵万智著、中央公論新社、2004.05.25
「みだれ髪 チョコレート語訳」与謝野晶子著・俵万智訳、河出書房新社、1998.07.06
「みだれ髪Ⅱ チョコレート語訳」与謝野晶子著・俵万智訳、河出書房新社、1998.10.09
(2014年10月3日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
万葉集もなんのその、与謝野晶子以来の大型新人類歌人誕生。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 俵万智:歌人
感想投稿日 : 2014年10月3日
読了日 : 2014年10月1日
本棚登録日 : 2014年9月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする